鉄が不足すると酸素の運搬ができない
貧血とは、血液中のヘモグロビン(血色素)の濃度が低下したり、赤血球の数が基準値以下に減少した状態をいいます。
おもな貧血には、鉄欠乏性貧血と悪性(巨大赤芽球性)貧血があります。
最も多いのが鉄欠乏性貧血で、とくに月経(出血)のある若い女性では鉄を失いがちで、成人女性の6割近くが潜在的な貧血状態にあるといわれます。
極端なダイエットや偏食による鉄の摂取不足も鉄欠乏性貧血の原因になります。
貧血になると、血液の酸素を運ぶ機能が低下するので、それを補おうと心拍数が上がり、動悸や息切れが起こります。顔色が青白くなり、全身の臓器が低酸素状態におちいって、頭痛やめまいが起こります。
悪性貧血はビタミンB12と葉酸が不足
鉄はヘモグロビンの重要な構成要素で、鉄が不足するとヘモグロビンが充分作られず、赤血球は酸素を全身に運ぶことができなくなります。
ふだんは体内の鉄の20~30パーセントが貯蔵鉄として肝臓や脾臓にありますが、貧血状態が長く続くと貯蔵鉄が底を尽いてしまいます。
鉄の補給には、吸収率の高いヘム鉄を多く含む食品、サプリメントをとりたいものです。
悪性貧血は、造血ビタミンとも呼ばれるビタミンB12、ビタミンB群である葉酸の不足が原因で起こります。
ビタミンB12の不足は赤血球の形成や再生に支障をきたします。DNAの合成に欠かせない葉酸が不足すると骨髄での細胞分裂に不具合をきたして、巨大な赤芽球(赤血球の前駆細胞)や赤血球を生じます。
一般的な貧血の症状のほかに、舌がつるつるになり食べ物がしみて味がわからなくなる症状があらわれます。
鉄欠乏性貧血や悪性貧血の改善に効果が期待されるサプリメント
鉄、プルーン、ビタミンB群(ビタミンB12、葉酸)